にゃん吉童話 『ながぐつを買いに』 - にゃん吉一代記
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にゃん吉童話 『ながぐつを買いに』



ながぐつを買いに。
                        新美にゃん吉


こねこの、にゃん吉は、一人で山の、ほらあなに住んでいました。
寒い冬の日のことでした。
目をさますと、外がきらきらと、かがやいています。
寒いので、ほらあなの中で丸くなって寝ていた、にゃん吉ですが、
いつもより、外がきらきらしているので、外に出てみることにしました。
昨日の夜から、雪がふっていたのです。
ほらあなの入り口から外を見ると一面の銀世界です。
昨日は、風の音も聞こえませんでした。
「まっしろだ。」
にゃん吉は、雪の上を歩いてみました。
足が冷たいのですが、初めての雪は楽しいものです。
後ろを見ると、にゃん吉が歩いたあとに、小さな足あとがついています。
「わーい。」足あとが、おもしろくて、にゃん吉は雪の上をかけまわりました。
しばらく、雪の上で遊んでいた、にゃん吉ですが、
足が、とても冷たくなっていました。
「これは、たまらない。」
にゃん吉は、ほらあなに帰りました。
ほらあなの中で、にゃん吉は足をさわってみました。
肉きゅうが、冷たく冷たくなっています。
もっと雪の上で遊びたいのですが、
このまま遊んでいると、足が、しもやけになりそうです。

 にゃん吉が、ほらあなの中で足をあたためていると、
外に、人間のこどもの声が聞こえました。
こどもたちに気付かれないように、ほらあなから外を見ると、
人間のこどもたちは、わらで作った雪ぐつをはいています。
いつもは、わらじのこどもたちが、雪ぐつをはいて雪の上を歩いています。
「そうだ。くつをはけば冷たくないんだ。」
にゃん吉は、もう一度、雪の上に足あとをつけて遊びたいのですが、
今は、足が冷たいので、ほらあなから外に出られません。
雪ぐつをはいて遊んでいる、こどもたちを見ているだけでした。
日が暮れると、こどもたちは家に帰っていきました。
にゃん吉は、どうにかして、くつが欲しいと思いました。
「人間は、お金で物を買ってくる。」
どこかの、ねこから聞いたことがありますが、
にゃん吉は、お金を持っていません。
「人間は、仕事をして、お金をもらう。」
そんな話も聞いたことがあるのですが、どこで何をすれば、
お金がもらえるのかわかりません。
「そうだ。」
にゃん吉の、ほらあなの近くに住む、おじいさんと、おばあさんがいます。
ときどき、にゃん吉に食べるものを、くれる、やさしい人たちです。
寒くなる前に、たんぼで忙しそうに働いていました。
おばあさんが、「ねこの手でも借りたい。」と言って、
おじいさんも、「そうだな。ねこの手も借りたい。」と言ってました。
ねこの、にゃん吉も仕事をして、お金をもらえるかもしれない。

 次の日になりました。
雪は、溶けはじめています。
早起きをした、にゃん吉は仕事をして、お金をもらって、
くつを買いに行こうと思いました。
さっそく、ほらあなを抜け出して、おじいさんと、おばあさんの住む、
家に行ってみることにしました。
冷たくない所を歩いていますが、裸足なので足は冷えてきます。
日が昇ったばかりですが、おじいさんと、おばあさんの家の
煙突からは、ゆらゆらと白い煙があがっています。
おばあさんが、朝ごはんのしたくをしているのでした。
家の勝手口に着いた、にゃん吉は、「にゃー。」となきました。
「おやおや。」おばあさんは、すぐに気がついて、戸を開けてくれました。
「お腹がすいたのかい?」そう言いながら、おばあさんは、
干物を、にゃん吉にくれました。
にゃん吉は、一生懸命、「仕事をしたいのです。」と言いましたが、
おばあさんは、にゃん吉をやさしく見ているだけです。
おじいさんも、にゃん吉に気がついて出てきてくれました。
「ねこの手を貸します。」にゃん吉は一生懸命に、言いましたが、
おじいさんにも、おばあさんにも、言葉は通じませんでした。
二人とも、にゃん吉が、ごはんをもらいに来たと思っているようでした。
その時です。「あら。」おばあさんが言いました。
「また、ねずみが悪いことをしている。」
「ああ、こんなところまでかじっている。」おじいさんが言いました。
にゃん吉は、二人が何を言っているのかわかりませんでした。
おじいさんと、おばあさんを見ている、にゃん吉に気がついたおばあさんが、
にゃん吉に近づいて、足の肉きゅうが冷たくなっているのに気がつきました。
「あらあら、かわいそうに。」おばあさんは、にゃん吉の肉きゅうを
あたためてくれました。

 にゃん吉は、なんとか働いて、お金をもらって靴を買いたいと思いました。
でも、人間に、にゃん吉の言葉は通じません。
次の日も、その次の日も、にゃん吉は、おじいさんと、おばあさんの家に行きました。
そうして、一週間がたちました。
にゃん吉の言葉は、おじいさんんと、おばあさんには通じなかったのですが、
おじいさんと、おばあさんの家で悪いことをしていた、ねずみには聞こえます。
ねこの声がするので、ねずみは、気が気ではありません。
にゃん吉が、おじいさんと、おばあさんの家に来るようになってから、
5日がたったころには、荷物をまとめて遠い所に引っ越しました。
「ねこちゃんが来るようになって、ねずみがいなくなったね。」
おじいさんと、おばあさんは、喜びました。
雪の日も、おじいさんと、おばあさんの家に通った、にゃん吉の足は
とても冷たくなっていたのですが、にゃん吉は、毎日通っていました。
「ねこちゃんに、お礼をしましょう。」
おばあさんは、にゃん吉の足が冷たいのを知っていたので、
わらで、小さな小さな雪ぐつを作りました。
おじいさんも、にゃん吉の手に合う、小さな小さな手袋を作りました。
次の日は、雪でした。
にゃん吉が家に来るのを待っていた、おじいさんと、おばあさんは、
にゃん吉に靴と手袋をつけてあげました。
「働くとは、こんなことなのか。」
靴だけでなく、手袋までもらった、にゃん吉は、とても喜びました。
雪の上でも、すいすい歩けます。

その後、何年も、にゃん吉は、おじいさんと、おばあさんの家に行きました。
おじいさんと、おばあさんも、にゃん吉をかわいがってくれました。
なかよく、なかよく暮らしました。






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