金正男は生きている
※ この物語はフィクションです。実在の人物、団体、地名等には一切関わりはありません。
クアラルンプール国際空港。
それは、あっという間のできごとだった。
アジア系の男性に女性二人が近づいて、素早く男性に飛びかかった。
男性は、空港職員に助けを求め、空港内の診療所まで歩いて向かった。
診療所内で意識を失った男性は救急車で病院に搬送されたが、車内で息を引き取った。
数か月前。
ごるご君のもとに、一本の電話が入った。
「ある人物の狙撃をお願いしたい。そして、私と私の家族を守ってほしい。」
相手は、フランス語で話し始めた。
「詳しい話を聞こうか。」
ごるご君にとっては、久しぶりの仕事だ。
「私は、現在、中国に居ます。こちらまで来ていただけるでしょうか?」
最近、職にあぶれて、東急ストアでアルバイトをしている、ごるご君だ。
本業の依頼は嬉しいのだが、外国に行くには交通費も持ち合わせていない。
「あなたの評判は聞いています。ぜひ、あなたに、この仕事をお願いしたい。最初に往復の旅費を振り込みます。口座番号を教えてください。」
ごるご君は、ほっとしてスイス銀行の口座番号を告げた。
「一両日中に振り込みます。予定が決まったら連絡をお待ちしています。私は金です。」
「それでは、準備ができ次第お伺いしましょう。一週間ほど待っていてください。」
「わかりました。連絡、お待ちしております。」
翌日、スイス銀行インターネット口座に振込の連絡が入った。
日本円にして、約200万円だ。
中国なら、往復しても20万円もあれば十分だ。
相手は、本気だ。そして、ごるご君を信用している。
ごるご君は、ある程度の準備をして中国に行くことにした。
金に連絡をした。すぐに電話に出た。
「ごるご君です。2日後に日本を発ちます。どこに行けばいいですか?」
「上海に来てください。」
「わかりました。」
考えてみれば、ごるご君にとっては初めての海外旅行だ。
旅券を買いに行くと、パスポートの提示を求められた。
「そんな、ものが必要なのか?」と、ごるご君は思った。
「後で、また来ます。」そう言って、ごるご君は、その場を去った。
これは、困った。
ごるご君は、叔父にあたる、ゴルゴ十三(じゅうそう)に相談することにした。
「叔父さんですか、ご無沙汰しています。ごるご君です。実は海外旅行に行きたいのですが、パスポートというものがないので、どうしたらいいかわからないので電話しました。」
「そうか、そうか。それはかわいそうに。今から家に来たらいい。」
ゴルゴ十三の家は、川崎市中原区にある。
京浜東北線から南武線に乗り換えて、ごるご君は、ゴルゴ十三の家に行った。
叔父さんの、ゴルゴ十三は、家ではいつもブリーフだけで過ごしている。
セントラルヒーティング完備のお屋敷だ。しかも駅から徒歩で3分。
ゴルゴ十三の屋敷に到着した。
呼び鈴を鳴らすと、お手伝いの澄子さんが迎えてくれた。
「お久しぶりですね。旦那様がお待ちかねです。」
澄子に連れられて、奥に通される。
ゴルゴ十三は、自室にいた。
澄子に続いて部屋に入る。
「旦那様、ごるご君がお見えです。」
「おお、ごるご君、よく来た。ところでどこに行くんだい?」
「上海です。」
それだとビザもあったほうがいいな。
「澄子、ごるご君の写真を撮ってくれ。」
「かしこまりました、旦那様。」「ごるご君、こちらに来てください。」
ごるご君は、澄子に連れられて屋敷内のスタジオに行った。
「写真を撮ります。」
澄子が言うままに座った状態で上半身の写真を撮られた。
何枚かの写真を撮られた。
「はい、これで大丈夫です。疲れたでしょう、コーヒーでも飲んでください。」
「ありがとうございます。」
澄子は何か作業をしている。
5分ほどたった。
「それでは、旦那様の部屋に行きましょう。」
再び澄子の後について、ゴルゴ十三の部屋に行った。
「パスポートとビザを作った。これだけあれば世界中、どこでも行けるぞ。」
ゴルゴ十三は、にこにこしながら多数のパスポートとビザを見せてくれた。
アジアを中心に十か国以上のパスポートとビザができている。
「行先に合わせて使い分ければいい。」
「ありがとう、叔父さん。」
「ところで、上海には何の目的で行くのだ?」
「実は。」ごるご君は、先日の依頼について話した。
「それは、危険な仕事かもしれないな。」
ゴルゴ十三は、腕組みをして考えている。
「そうだ、澄子を連れて行け。きっと役にたつ。」
「そんな、そこまで甘えることはできません。」
「澄子も久しぶりに外に出たがっているから、ちょうどいい。なあ。」
「かしこまりました。旦那様。」
澄子は、微笑んで言った。
「海外は危険だから、澄子に、いろいろ持たせておくので使ったらいい。」
「ありがとうございます。」
「それでは、明後日の午前10時ぐらいに成田空港で待っています。」
澄子が言った。
「よろしくお願いします。僕は、どんな準備をしたらいいですか?」
「ごるご君のクライアントに、明後日に行くことと、到着時間は出発当日に知らせることを連絡しておいてください。」
「わかりました。他には?」
「着替えだけ持ってきてください。必要な武器は、こちらで準備しておきます。」
澄子が言った。
「ごるご君、澄子と一緒なら世界中のどこに行っても安心だ。スカイツリー観光にでも行くつもりで、ゆっくり楽しめばいい。」
ゴルゴ十三が言う。
「何から何まで、お世話になります。」
ごるご君は、頭を下げた。
「それでは、今日は帰ります。」
ゴルゴ十三と澄子は、玄関まで出て送ってくれた。
「これで、今夜は何か食べなさい。」
ゴルゴ十三は、封筒をごるご君に渡した。
「ありがとうございます。」
駅に到着したごるご君は、ゴルゴ十三にもらった封筒を開けてみた。
薄い紙が入っているようなので、札が1枚かと思ったのだが、中には小切手が入っていた。
1000万円の小切手だった。
以下、次号。
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クアラルンプール国際空港。
それは、あっという間のできごとだった。
アジア系の男性に女性二人が近づいて、素早く男性に飛びかかった。
男性は、空港職員に助けを求め、空港内の診療所まで歩いて向かった。
診療所内で意識を失った男性は救急車で病院に搬送されたが、車内で息を引き取った。
数か月前。
ごるご君のもとに、一本の電話が入った。
「ある人物の狙撃をお願いしたい。そして、私と私の家族を守ってほしい。」
相手は、フランス語で話し始めた。
「詳しい話を聞こうか。」
ごるご君にとっては、久しぶりの仕事だ。
「私は、現在、中国に居ます。こちらまで来ていただけるでしょうか?」
最近、職にあぶれて、東急ストアでアルバイトをしている、ごるご君だ。
本業の依頼は嬉しいのだが、外国に行くには交通費も持ち合わせていない。
「あなたの評判は聞いています。ぜひ、あなたに、この仕事をお願いしたい。最初に往復の旅費を振り込みます。口座番号を教えてください。」
ごるご君は、ほっとしてスイス銀行の口座番号を告げた。
「一両日中に振り込みます。予定が決まったら連絡をお待ちしています。私は金です。」
「それでは、準備ができ次第お伺いしましょう。一週間ほど待っていてください。」
「わかりました。連絡、お待ちしております。」
翌日、スイス銀行インターネット口座に振込の連絡が入った。
日本円にして、約200万円だ。
中国なら、往復しても20万円もあれば十分だ。
相手は、本気だ。そして、ごるご君を信用している。
ごるご君は、ある程度の準備をして中国に行くことにした。
金に連絡をした。すぐに電話に出た。
「ごるご君です。2日後に日本を発ちます。どこに行けばいいですか?」
「上海に来てください。」
「わかりました。」
考えてみれば、ごるご君にとっては初めての海外旅行だ。
旅券を買いに行くと、パスポートの提示を求められた。
「そんな、ものが必要なのか?」と、ごるご君は思った。
「後で、また来ます。」そう言って、ごるご君は、その場を去った。
これは、困った。
ごるご君は、叔父にあたる、ゴルゴ十三(じゅうそう)に相談することにした。
「叔父さんですか、ご無沙汰しています。ごるご君です。実は海外旅行に行きたいのですが、パスポートというものがないので、どうしたらいいかわからないので電話しました。」
「そうか、そうか。それはかわいそうに。今から家に来たらいい。」
ゴルゴ十三の家は、川崎市中原区にある。
京浜東北線から南武線に乗り換えて、ごるご君は、ゴルゴ十三の家に行った。
叔父さんの、ゴルゴ十三は、家ではいつもブリーフだけで過ごしている。
セントラルヒーティング完備のお屋敷だ。しかも駅から徒歩で3分。
ゴルゴ十三の屋敷に到着した。
呼び鈴を鳴らすと、お手伝いの澄子さんが迎えてくれた。
「お久しぶりですね。旦那様がお待ちかねです。」
澄子に連れられて、奥に通される。
ゴルゴ十三は、自室にいた。
澄子に続いて部屋に入る。
「旦那様、ごるご君がお見えです。」
「おお、ごるご君、よく来た。ところでどこに行くんだい?」
「上海です。」
それだとビザもあったほうがいいな。
「澄子、ごるご君の写真を撮ってくれ。」
「かしこまりました、旦那様。」「ごるご君、こちらに来てください。」
ごるご君は、澄子に連れられて屋敷内のスタジオに行った。
「写真を撮ります。」
澄子が言うままに座った状態で上半身の写真を撮られた。
何枚かの写真を撮られた。
「はい、これで大丈夫です。疲れたでしょう、コーヒーでも飲んでください。」
「ありがとうございます。」
澄子は何か作業をしている。
5分ほどたった。
「それでは、旦那様の部屋に行きましょう。」
再び澄子の後について、ゴルゴ十三の部屋に行った。
「パスポートとビザを作った。これだけあれば世界中、どこでも行けるぞ。」
ゴルゴ十三は、にこにこしながら多数のパスポートとビザを見せてくれた。
アジアを中心に十か国以上のパスポートとビザができている。
「行先に合わせて使い分ければいい。」
「ありがとう、叔父さん。」
「ところで、上海には何の目的で行くのだ?」
「実は。」ごるご君は、先日の依頼について話した。
「それは、危険な仕事かもしれないな。」
ゴルゴ十三は、腕組みをして考えている。
「そうだ、澄子を連れて行け。きっと役にたつ。」
「そんな、そこまで甘えることはできません。」
「澄子も久しぶりに外に出たがっているから、ちょうどいい。なあ。」
「かしこまりました。旦那様。」
澄子は、微笑んで言った。
「海外は危険だから、澄子に、いろいろ持たせておくので使ったらいい。」
「ありがとうございます。」
「それでは、明後日の午前10時ぐらいに成田空港で待っています。」
澄子が言った。
「よろしくお願いします。僕は、どんな準備をしたらいいですか?」
「ごるご君のクライアントに、明後日に行くことと、到着時間は出発当日に知らせることを連絡しておいてください。」
「わかりました。他には?」
「着替えだけ持ってきてください。必要な武器は、こちらで準備しておきます。」
澄子が言った。
「ごるご君、澄子と一緒なら世界中のどこに行っても安心だ。スカイツリー観光にでも行くつもりで、ゆっくり楽しめばいい。」
ゴルゴ十三が言う。
「何から何まで、お世話になります。」
ごるご君は、頭を下げた。
「それでは、今日は帰ります。」
ゴルゴ十三と澄子は、玄関まで出て送ってくれた。
「これで、今夜は何か食べなさい。」
ゴルゴ十三は、封筒をごるご君に渡した。
「ありがとうございます。」
駅に到着したごるご君は、ゴルゴ十三にもらった封筒を開けてみた。
薄い紙が入っているようなので、札が1枚かと思ったのだが、中には小切手が入っていた。
1000万円の小切手だった。
以下、次号。
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