石川啄木 日記 明治41年5月7日 - にゃん吉一代記
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石川啄木 日記 明治41年5月7日



 石川啄木の日記である。
三度目の上京を果たしたばかりの頃だ。
今回も原文は、石川啄木 啄木日記さんから借りてきた。いつもお世話になります。
 啄木の日記は同じ時期に書いたものでも平易に読めるものと、かなり考えないと意味がわからないものがある。ほとんど現代の言葉に近い表現を使って書かれていることもある。意図的にやっているのであろう。日記という個人的なものでさえ、いろいろな表現を使っている。先日、啄木は文章に関して努力をしなくても多くの表現技法を使える天才と言ったが、このように日記を毎日書くことが努力であろう。毎日、こんなに書いている。

 さて、日記の原文だ。




五月七日
 起きると、心地よき初夏の日影、公孫樹の幹を斜めに照して居た。古本屋へ行つて電車賃を拵へる。
 九時千駄ヶ谷へゆく。明星が今日出来た。家から来て居る葉書と小包を受取つて、二時与謝野氏と共に電車に乗る。牛込の停車場で、賑やかな栽仁宮の葬式を電車の窓から見物して、お茶の水で別れて帰る。早速小包をとくと、なつかしの妻が、針の一目一目に心をこめた袷に羽織、とり敢へず着て見て云ふ許りなく心地がよい。中に一通の手紙があつた。
“緑の都の第二信”を吉野君へかく。
 植木てい子さんから葉書、返事を出す。並木君平野君へも転居の知らせ。
 森鴎外氏に先夜の礼状を認めた。






読んでみよう。



明治四十一年五月七日
 起きると、心地がいい初夏の日差し、イチョウの幹を斜めに照していた。古本屋へ行って本を売って電車賃をかせぐ。
 九時に千駄ヶ谷へ行く。明星が今日出来た。家から来ている葉書と小包を受取って、二時頃に与謝野氏と共に電車に乗る。牛込の停車場で、にぎやかな栽仁宮の葬式を電車の窓から見物して、お茶の水で別れて帰る。さっそく小包を開くと、なつかしの妻が、一針一針に心をこめた袷(あわせ)と羽織(はおり)、とりあえず着てみてた、なんともいえない心地よさ。中に一通の手紙があった。
“緑の都の第二信”を吉野さんへかく。
 植木てい子さんから葉書がきたので返事を出す。並木さん平野さんへも転居の知らせを送った。
 森鴎外氏に先日の歌会の礼状をしたためた。





 5月7日の日記は、わりと短めだ。日記らしい日記といえよう。啄木の日記を4月から追いかけているが全く追いつかない。やはり、この人が書くペースは、すごい。小説も合わせて書いているのだ。そんなに売れなかったらしいが。これまでの日記の中でも啄木は初夏を書いているが、まだ北海道は寒いのだろう。妻のせつ子は、袷を縫って啄木に送っている。
 この日の日記は、原文のままでも読みやすい。どうなのだろう。意識的に文章を変化させているのだろうか。無意識に書いているにせよ、意識的に書いているにせよ、やはり文章に対する天才的な面を感じる。





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