石川啄木 日記 明治41年5月4日 - にゃん吉一代記
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石川啄木 日記 明治41年5月4日



 明治41年5月4日、石川啄木の日記だ。

原文は、いつものごとく石川啄木 啄木日記さんから、お借りしてきた。
さて、読んでみよう。

まずは、原文。



五月四日
 十二時千駄ヶ谷にかへる。緑の雨がしとしとと降る。気持のよい日だ。
 二六新聞へ入社する様に主筆に話して来たと与謝野氏が語る。新詩社附属の歌の添刪をやる金星会を、今後予がやる事にきまる。
 三時、千駄ヶ谷を辞して、緑の雨の中をこの本郷菊坂町八十二、赤心館に引き越した。室の掃除が出来てないといふので今夜だけ金田一君の室に泊る。枕についてから故郷の話が出て、茨嶋の秋草の花と虫の音の事を云ひ出したが、何とも云へない心地になつて、涙が落ちた。蛍の女の事を語つて眠る。(赤心館にて)





明治41年5月4日
 12時に千駄ヶ谷(新詩社)に帰る。緑の雨がしとしとと降る。気持のよい日だ。
 (僕が)二六新聞(日刊の新聞社)へ入社できるように主筆に話して来たと与謝野氏が言ってくれた。新詩社附属の歌の添削をやる金星会を、今後は僕がやる事に決まった。
 三時、千駄ヶ谷を後にして、緑の雨の中をこの本郷菊坂町八十二(現・本郷5-5-16)、赤心館に引っ越した。部屋の掃除が出来てないと言うので今夜だけ金田一さんの室に泊る。枕についてから故郷の話が出て、茨嶋(岩手県盛岡市茨嶋神社付近)の秋草の花と虫の音の事を言い出したが、何とも言えない気持ちになつて、涙が落ちた。蛍の女の事を語って眠る。(赤心館にて)





 赤心館初日だが、残念ながら自分の部屋というわけにはいかなかったようだ。与謝野寛(鉄幹)の口利きで、新聞社に就職できて引越先も決まった、めでたい日だ。夜は、同郷の金田一京助の部屋で枕を並べて懐かしい思いに包まれて眠ったようだ。最後の「蛍の女」がわからない。釧路の小奴のことを指していると思う。演歌じゃないから「小樽の女」にはならない。「釧路の夜」は、三川憲一さんの歌だ。



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