ビジネスホテル改造計画
にゃん吉的、ビジネスホテル改造計画である。
にゃん吉は、ホテルオーナーでも、経営者でもない。
従って、この計画は妄想でしかないかもしれない。
こんな、ビジネスホテルなら嬉しいな。といったところである。
にゃん吉は、もうすぐ50歳を迎える男である。
その視点から書いているので、年齢・性別の違う人には合わないかもしれない。
10人の人がいれば、10人とも違うのである。
十人十色とは、よく言ったものであると思う。
十分の一かもしれないし、百分の一かもしれない話である。
でも、そんな風に考える人もいるかもしれない。
昨日、泊まったホテルを考える。
場所的には悪くはない。
主要な駅から歩いて、5分ほどの距離である。
周辺環境も、特に悪くはないのであるが、飲食店が近くにない。
コンビニは近くにあるが、少し歩かなければならない。
昨日は、生憎、雨であった。
ビジネスホテルは、社用で泊まる人が多い。
観光ホテルとは違った点である。
そして、社用で泊まる人には、会社から宿泊費が出る。
昔であれば、会社から支給される宿泊費も、そこそこであった。
しかし、今は、世知辛い世の中である。
宿泊費にも上限のある会社が多いのである。
出張といえば、その経費の全額を会社から支給される費用で賄えるならいいが、
今となっては、なかなか、そうもいかない。
出張していても、出張していなくても必要な経費は、支給されないのである。
例えば、食事代などがそうである。
出張していても、していなくても食事は食べる。
これは、当たり前のことである。
会社が、ここまで責任を持つ必要性はないというのは正論である。
しかし、世の多くの、お父さんは食事も節約しているのである。
家で食べるのであれば、数百円の出費で納まる夕食も、
外食すれば千円以上かかることが多い。
月に、数日の出張であればいいが、何度もあれば負担になるのである。
ビジネスホテルも、企業である。
企業であれば利益を上げることが必要である。
これは、どこの企業にもいえることである。
お客さんである宿泊客は、できるだけ費用を抑えたい。
受け入れる側のビジネスホテルは、できるだけ利益をあげたいのである。
さて、ビジネスホテルであるが、最近は空室を避けるために、
インターネットでの予約特典を取り入れるホテルが多くなっている。
インターネットで予約した場合には、何らかの特典をつけるといったサービスである。
これは、これで正解であるとは思う。ただし、料金に大きな差をつけるのはどうであろう。
地元の出先機関にホテルの予約をお願いした場合に、経路などを調べるために、
インターネットでホテルのサイトにアクセスしてみると、
自分の宿泊に必要な金額より、はるかに安い金額が提示されていたとする。
「次は、インターネットから予約しよう。」と前向きに考える人もいれば、
損をした気分になる人もいるのではないであろうか。
同じ予約客であるなら、差別化を図ることが必ずしもいいこととも言えない。
航空機で、よく使われる早期予約特典などのように、
かなり早い時期の予約であるから安いといったものなら受け入れられやすいとは思う。
一部の人に与える特典が他の多くの人に損をした気分にさせては、
かなり残念な結果になってしまうこともある。
次に、サービスについて考えてみよう。
サービスとは、無料のものが全てではない。
多少の出費をしても、受けたいものもあれば、無料でも必要のないものもある。
新聞などを、サービスで配っているホテルも多い。
これは、これで悪いことではないと思う。
にゃん吉も、新聞をもらって部屋で読むこともある。
しかし、一部の人にとっては必要のないサービスであるかもしれない。
宿泊する側としては、必要がなければ貰わなければいいだけのことであるが、
ホテル側としては、必要とする人の数以上に準備する必要がある。
新聞一部の金額がいくらであるか定かではないが、原価のかかるサービスが、
原価以上の見返りをホテルに与えているかどうかは疑問である。
最近は、家でも新聞を読まない人が増えている。
多くの新聞は、インターネットで記事を配信しているのである。
そのようにして記事を読んでいる人には、インターネット接続環境を
与えてあげれば、それで十分なサービスになると思う。
お得感は、いろいろなところで感じる。
そして、損した感も、いろいろなところで感じるものである。
お客さんに、お得感を感じてもらうために、必要な経費はある。
ただし、同じ100円の経費が、全てのお客さんに100円のお得感を与えるわけではない。
100円の経費をかけても、50円以下の満足しか与えられない場合もあれば、
200円以上の満足を与えられる場合もあるのである。
ホテル内には、自動販売機が設置されていることが多い。
宿泊したものにすれば、外で買ってくるより近くで買えるのが嬉しい。
特に雨の日などは、外に出かけるのが億劫になることがある。
この自動販売機の価格設定によっても、ホテルの評価は変わる。
外にある自動販売機と同等か、ほんの少し高いぐらいであれば、
ホテル全体の価格に関して、割高感は持たないであろう。
例えば、ホテルの近くの路上の自動販売機で、120円で売られている、
缶コーヒーが、120円~130円程度なら、割安な感じである。
しかし、この缶コーヒーが、150円~200円もすればどであろう。
ホテル内の自販機で缶コーヒーが売れないことは、大きな問題ではない。
それよりも、お客さんに割高感を与えることのほうが残念である。
今では、定価のつけられていないオープンプライスの商品も多い。
しかし、その中でも安く買える場所を探している人は多いのである。
ホテル内の自販機の売上げの比率は、わからないが、
ここで割高感を感じさせてしまったら、
ホテル内の飲食店や食事に関しても割高な感を与えてしまう。
サービスのつもりが、客離れを誘引しているかもしれない。
先に言ったことであるが、食事にかかる費用は、出張では大きいのである。
会社で出張費を精算できるにしても、食事代までは出してくれない。
夕食に関しては、あきらめられる部分であるが、
できれば朝の軽食的なものぐらいは、宿泊費の中で賄えると嬉しい。
豪華な朝食であれば、食事代を上乗せして泊まることも仕方ない。
しかし、豪華な朝食を毎日、食している人は世の中に何人いるであろう。
朝食を食べない、こどもたち。こんなことが話題になった世代の
こどもたちは、とうに大人になっているのである。
ファーストフード業界では、朝のメニューにも力を入れている。
「朝○。○」などという言葉も生まれたぐらいである。
昼以降は、牛丼などを販売している、ファーストフード店も、
朝には料金の安い、朝メニューを出したりしている。
販売価格でいえば、300円から500円程度である。
人件費等を差し引いた原価は、販売価格よりは、かなり抑えられるであろう。
飲食店や、ファーストフードの店舗の場合は、
朝メニューのロスも考慮しなければならない。
天候や、店舗周辺の環境の変化により、何人のお客さんが来るかは読めない。
しかし、ホテルの場合はどうであろうか。
宿泊する人に、朝の軽食が必要かどうか尋ねることで、
ロスは最小限に抑えることは可能であると思われる。
ホテルでの食事といえば、バイキング形式のものが多いが、
朝食を必ずしもバイキング形式にする必要性はないと思う。
通常の朝ごはんを、出せばそれでいいのではないか。
バイキング形式は、ロスの多い供給方式である。
ファーストフード店や、コーヒーショップの朝のセットは、
バイキング方式ではないのである。
それでも、数百円を払って食べている人が多い。
いくつかのメニューの中から選べるのは、飲食店の強みである。
しかし、朝のメニューは昼以降のメニューに比べると
格段に少ないのである。
飲食店や、ファーストフード店にとっても、主力商品ではない。
しかし、コンビニでパンと、コーヒーを買うお客を取り込むことや、
午後以降の、主力商品のアピールの場でもある。
ビジネスホテルで、これを無料で出したとすれば、
原価以上の満足感を、お客さんに与えられることと思う。
チェックインの時に、朝食が必要かどうか確認して、
無料の「朝食券」を渡すのである。
ロスが少なければ、飲食店以上に原価は抑えられると思う。
メニューに関しては工夫しだいであるが、
決して豪華なものである必要はないと思う。
余裕があるなら、「パン食の朝ごはん」、「和食の朝ごはん」の、
ふたつ程度から選択できるようにすればいいであろう。
重ねて言うが、バイキング形式は原価が大きくかかって、ロスも大きいのである。
そして、この朝食であるが宿泊した人のみの特典としたほうがいいであろう。
観光ホテルや、由緒正しきホテルの一流レストランなら別かもしれないが、
普通のビジネスホテルの食堂に、宿泊客以外の人が朝ごはんを食べに、
立ち寄る例は、少ないのである。
常連になった、お客さんでもいれば、多少は入るかもしれないが、
その雰囲気は、逆に一泊した、お客さんの阻害された感を生むかもしれない。
「得した感じ」は、ホテル側の原価と比例するものではないのである。
こうした小さな「得した感」は、他の小さな悪い部分を忘れさせるのである。
最近では、朝は、コーヒーだけで済ませる人も多い。
ファーストフード店も、コーヒーに力を入れているし、
コンビニエンスストアでも、挽きたてのコーヒーを供給する機械を導入している。
コーヒーの販売価格も、安くなってきている。
昔は、喫茶店でコーヒーを頼むと、安い店でも、300円ぐらいであった。
当時は、缶コーヒーは、100円ぐらいであった。
今では、缶コーヒーは、120円程度が相場となっているが、
ファーストフード店や、コンビニで買うコーヒーは、100円程度なのである。
何かのキャンペーンの折には、無料のチケットが配られることもある。
コーヒーの原価が特に安くなったわけではないと思う。
喫茶店の場合は、コーヒーの売上げが、店のほとんどの経費を
支える形であるから、多少金額がかかるのは、仕方のないことである。
コンビニにしても、ファーストフード店にしても、
コーヒーの売上げだけでは利益に大きく貢献しないと思うが、
コーヒーは、付加価値的なものとして力を入れているのであろう。
ドリップコーヒーのように手間や原価をかけるのは、もったいないが、
今では、コーヒーマシンも安くなってきているのである。
そして、味はといえば、そんなに不味いものでは決してない。
コーヒーに思いいれのない店員がドリップで作るコーヒーより、
機械に煎れさせたコーヒーの方が均一な味であるし、
コーヒー豆の使用量も少なくなるのである。
コンビニや、ファーストフード店で供給している、コーヒーが100円程度。
彼らは、コーヒーを飲むだけの、お客さんも受け入れなければならない。
そうなると、原価割れの商品を出すわけにはいかない。
ホテルは、宿泊客のみに供給すれば、いいのである。
原価が安いものであれば、コーヒーを無料で供給しても、大きな負担にはならない。
いくら無料であると言っても、一泊のうちに、5杯のコーヒーを飲む客は少ない。
それでも宿泊客が、一杯を100円以上の、お得と感じてくれるなら、
リピーターとなる可能性も多くなってくるのである。
朝の食事を供給するスペースと、コーヒーを供給するスペースは、
別々にしたほうがいいと思う。
無料のサービスに、広いスペースを使うことは利益の低下を生む。
そして、そのスペースは、どちらも禁煙としたほうがいいであろう。
にゃん吉は、喫煙者である。
できれば、禁煙席より喫煙のできる席のほうが嬉しい。
長い時間の夕食であれば、間違いなく喫煙のできる所を選ぶ。
しかし、ビジネスホテルの朝食は、時間をかけて取るものではない。
限られたスペースを気持ちよく有効に使ってもらうためには、
お客の回転も考えなければならない。
食事の場が喫煙可能であれば、喫煙者は、そこに数分とどまる。
喫煙できないとなれば、さっさと、その場を去るのである。
コーヒーを供給する場所も同じである。
コーヒーの供給する場所に関しては、ロビーなどを活用するのがいいと思う。
できるなら、その一角に小さな喫煙スペースでもあれば嬉しい。
喫煙者は、すでに迫害されているので、タバコを吸える場所があれば嬉しいと思う。
逆に、非喫煙者にとって、タバコの匂いや煙は、サタンのごとき代物である。
非喫煙者を満足させるためのハードルは、どんどん上がっているのである。
逆に、非喫煙者を満足させるためのハードルは低くなっている。
ガラスで隔絶した、2畳ばかりのスペースを与えておけば、
喫煙者は、満足するのである。
高額納税をしながら虐げられる喫煙者は、かわいそうである。
しかし、それも世の流れなのである。
どこででも、タバコが吸えた時代は、とうに通り過ぎているのである。
ホテル内の、公共の場の、ほとんどを禁煙にすることのメリットは、
非喫煙者にのみ訪れるわけではない。
喫煙は、健康に関して被害をもたらすことは、わかっているので、
ここで更に述べることはしない。
ホテル側にとって、喫煙できる区域を狭くすることは、
防火上のメリットもあるし、カーペットなどの損傷を少なくするメリットもある。
レストラン内を禁煙にすれば、灰皿を片付ける手間もなくなるし、
テーブルクロスに焦げ跡を残されることも、なくなるのである。
ただし、全館禁煙にしてしまうのは、どうであろうか。
窮鼠ねこを噛む、の例えもある。
追い詰められた喫煙者は、他所のホテルに行ってしまう。
空港のロビーのような小さな空間があれば、いいのである。
飛行機が全て禁煙になったので、喫煙者が誰も飛行機に乗らないか?
そんなことは、ないのである。
さて、付加価値をつけるためには源泉となるものが必要である。
これに関しては、お客の宿泊費の上乗せが最も簡単であるが、
それだけに頼っては、サービスとは言えないのである。
例えば、3ヶ月前に、5000円で宿泊した、お客がいたとする。
同じ金額で泊まれると思って来てみたら、6000円になっていた。
泊まってみたら朝食が無料でついて、コーヒーも飲めた。
でも、この、お客は満足するであろうか。
価格というのは、難しいものなのである。
値下げは簡単に受け入れられるが、値上げは、わずかであっても、
簡単には受け入れてくれないものなのである。
お客を取り込むための値下げ競争というものは存在している。
サービスや満足は、二の次で価格の安さのみを求める、お客もいる。
しかし、ホテルはビジネスホテルであっても、サービス業である。
そして、宿泊する、お客は自分の金で宿泊しているというよりは、
会社の金で宿泊しているのである。
ここは、かなり大きいのである。
会社から認められた宿泊費の範囲であれば、宿泊する本人の腹は痛まない。
顧客の心理分析も、マーケティングには重要なのである。
朝食とコーヒーにかかる原価に関して、分煙のメリットのみで乗り越えられるなら
それは、それでいいと思う。
しかし、これまでに安さのみで勝負してきた、ビジネスホテルにとっては
これだけでは、まだまだ採算が取れないであろう。
はっきり言って、儲けることの、ウルトラC は少ない。
特に市場が、大きくなった分野では難しい。
こうなると、逆転の発想も必要である。
でも、その前に忘れていることがないか確認することは必要である。
収益を上げることと、原価を下げることと、利益を上げること。
これは、どこか奥のほうで繋がっているかもしれない。
八つ墓村の、洞窟よりは、簡単に抜け出せそうな気がするのである。
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