金正男は生きている 3 - にゃん吉一代記

金正男は生きている 3



※ この物語はフィクションです。実在の人物、団体、国家、企業、自治体等とはなんら関わりはありません。


金正男は生きている
金正男は生きている 2


翌日になった。
ごるご君は成田空港に向かった。
京成スカイライナーを使おうかとも思ったが、少し高い。
中央線で錦糸町に出て、総武線快速で成田空港に行くことにした。
遅れると澄子に叱られそうだ。
早めに家を出た。

8時30分頃に成田空港に到着した。
集合場所のセブンイレブンは、すぐにわかった。
澄子は、まだ来ていないようだ。
若い女性が、ごるご君の背後に近づいてきた。
「俺の背中に立つな。」
ごるご君が振り向くと、「私よ。」と言う。

ごるご君は、びっくりした。
声は、澄子だが完全に若い女性だ。
澄子は、ごるご君が小学生の頃から今に至るまで、あまり変化がないと思っていたが、今日は、いっそう若い。20代前半の女性と言っても誰も疑わないだろう。

「今日は、澄子じゃないわよ。武雄さん。」
そう言いながら、パスポートを渡してくれた。
ごるご君は、近藤武雄になっている。年齢は31歳。
澄子は、道野あかり。年齢は、25歳。
「今日から25歳だから、よろしくね武雄さん。」

澄子は、ごるご君の腕にしがみついた。
不自然ではないカップルの出来上がりだ。
澄子に引っぱられるようにして、搭乗手続きに向かった。
「後ろを振り向かないで。つけられているわ。」
小声で澄子が言う。
ごるご君も数秒前から、気配は感じていた。
「大丈夫、武器は持っていないわ。そのまま搭乗手続きをしましょう。」

二人は怪しまれることもなく、搭乗手続きを終えた。
荷物検査も問題なく終わった。
後は飛行機に乗れば、上海までは飛行機が連れていってくれる。
所用時間は、3時間ぐらいなものだ。

つつがなく二人は機上の人となった。
ファーストクラスだ。
背後のつけられている気配は消えた。
澄子は隣に座っている。
「海外旅行なんて、何年ぶりかしら。」
昔は、ごるご君の叔父さんの、ゴルゴ十三(じゅうそう)に連れられて、世界中を飛び回っていたらしい。
しかし、25歳の女性が、こんな懐かしみ方は、不自然だ。

「二人で旅行するなんて初めてね。武雄さん。」
あかりに成りきった澄子が言う。
「そうどす。あかり。」
ごるご君も話を合わせる。
澄子と二人っきりになる機会など、これまでほとんどなかった。
ごるご君は、少し緊張している。
考えてみれば、澄子のことは、叔父さんのところに居る人というだけで、ほとんど知らない。
「あかりは、小さい頃は何になりたかったの?」
ごるご君は聞いてみた。
「私は、お嫁さんになりたい。」
澄子の目は、遠くを見ている。
「いつの日か、ウィリアム・アルバート・アードレーさんが私を迎えに来てくれる。おチビちゃん、きみは泣いている顔より笑った顔のほうがかわいいよ。そうよ、私は笑顔で生きるの。」
はっとして、ごるご君は澄子の目の前に手を持っていった。
うつろな目の澄子は全く反応しない。
以前、ゴルゴ十三(じゅうそう)の家で、白雪姫の話をしながら澄子が同じような目をした時のことを思い出した。
「澄子は、いつもは100m先や後ろの敵を見逃すことがないほどに俊敏だが、回想シーンに浸ると10㎝前も見えない。」
ゴルゴ十三(じゅうそう)が言っていた。
そして、その時、ゴルゴ十三は、澄子の鼻をバシンとハリセンでたたいた。
このまま、澄子を妄想の中に沈めておくことはできない。
「失礼します。」
ごるご君は、澄子の鼻を持っていた扇子でたたいた。
飛行機の機内に、ピシッと音が響き渡った。
「あら。」
澄子は何事もなかったかのように目覚めて、あかりを演じた。
「武雄さん、少し休んでおくといいわ。」
澄子も、ごるご君もシートを少したおした。
目を閉じて、しばしの休息をとる。
すぐに上海に到着した。



以下、次号。




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